第20話

雪がドンドン降ってきて、積もり始めました。
歩道も道路も真っ白になってツルツル滑ります。

「けいたくん、雪道は滑るので長靴を履いて行きなさいよ!!」
お母さんは雪の降るところで育ったので、いろいろ知っています。
「は〜〜い・・・。」
でも、長靴は走りづらいなぁ。スニーカーで遊びに行こうっと・・・。

スニーカーを履いて玄関を出ると、
「ウワ〜〜〜〜〜、滑る〜〜〜」
いきなり氷になっていて、滑って体がふわっと浮いてしまった。
「あ〜〜〜、落ちる!!どうしよう〜〜!!助けて〜〜」
このままでは硬い氷にたたきつけられちゃう!!
「ど、どうしよう・・・??」
「あっ、そうだ」・・・僕はいつもように時計を見ました。
転んでしまう瞬間にいつものようにちょっとだけ時間が戻りました。

「あ〜〜、よかった!!」
やっぱりツルツル滑る時には、お母さんの言うとおり
格好が悪くても、走りづらくても、長靴を履かないといけないんだ。
冬には冬の靴を履かないといけないことがわかりました。
第19話

明日は楽しい遠足です。
僕は遠足が大好きで。友達と一緒に歩いて、景色を見たりお弁当を食べたり・・・、
とても楽しいからです。
明日の行く場所は今まで行ったことないの湖だから、いつもよりもずっと楽しみです。

「けいた君、明日の遠足の準備をしてから寝なさいよ!!」とお母さんが言いました。
「はい、ちゃんと準備するよ」

明日行くところはどこなのか、僕は地図を見て調べていました。
「わ〜〜、こんなところもあるんだ。へ〜〜〜、この道を通るんだ。 
 ああ、そうだ。明日の準備をしなくちゃダメなんだ。
でも、もう少し地図を見てからにしよう!!」
 
「けいた君、早く起きて!!」とお母さんの声で目が覚めました。
「そうか、僕は寝ちゃったんだな 。急がなくちゃ!!」

遅刻しそうなので慌ててリュックを持って出かけました・・・。
「あ、クレヨンと画用紙。帽子とタオル。 入れてなかった」
夕べ用意しようと思ってそのまま寝ちゃったから、入れるの忘れてた。
今から家へ取りに戻ったら、集合時間に間に合わないし、
このまま行っても忘れ物をしたことで先生に怒られるし・・・・。
「困ったな〜〜〜、どうしよう!!」
時間はドンドン過ぎていくし、本当にどうしたらいいのか?

「あ、そうだ!!」僕はいつものように時計を見ました。
すると時間が少しだけ戻り、持ち物を全部入れて出かけることができました。

お母さんが言っていたように、出かける前の日には、
忘れ物がないかキチンと見ないといけないことがわかりました。
第18話

夏休みが始まりました。
けいた君は友達と海に行くことになりました。
「友達のお母さんが着いてきてくれるから行ってもいいでしょ?」
とお母さんに聞くと、
「うん、いいよ。でもキチンとと言うことを聞いてね。
それから、泳ぐ前には必ず準備体操をしなさいよ。」
と言って、海に行くことを許してくれました。

海に行くまでの電車はすごい人、すごく暑かったです。
海に着く頃には暑くて暑くて汗だらけで・・・。
「やった〜〜、着いたぞ〜〜〜。気持ちよさそう」
友達は服やズボンを脱ぎ捨て、一気に海に飛び込んでしまいました。
「よし、ぼくも・・・、あっ、でも準備体操・・・、いいや・・・」
僕も思いっきり海に飛び込んでしまいました。
と、すぐに足の筋肉が痛くて、泳げなってきました・・・。
「んん?どうしたんだろう?足が痛い・・・、泳げない・・・。
足が届かないし、どうしよう・・・。」

痛くない方の足だけで、今は何とか浮かんでいるけどもう泳げなくなりそうだ。
「たすけて〜〜。どうしよう・・・。どうしよう・・・。たすけて〜〜」
みんな泳ぐのに夢中で気がついてくれません。
「あ〜〜〜〜、あっ、そうだ」っと、時計をみようしたが、
今日は海にはいるのではずしていたんだ・・・。
「ウワ〜〜〜〜、もうだめだ!!!」

すると不思議なことに、いつのもようにまわりが真っ白になり、
少し前に時間が戻りました。
僕はお母さんに言われたとおり、準備体操をキチンとしてから海に入りました

どんなに暑くても、友達が飛び込んでも、準備体操をしてから海やプールに入らなくちゃいけないことが、はっきりわかりました。
それにしても、時計をはずしていたのに僕を守ってくれたんだから、
ほんとうに「ふしぎな時計」だ。