第3話
「けいくん、ちょっときて〜」
お母さんが僕を呼んでいます。「なんだろう?」
「けいくん、お母さん、ちょっと買い物へ行ってくるから、時々おなべ見ててね。」
「はい、わかりました。時々見てどうするの?教えて。」
と、お母さんに聞くと、「汁が少なくなったら火を止めてくれる。」
何だ簡単だなと僕は思いました。
お母さんが出かけて、少したってから鍋を見に行きました。
まだ汁はいっぱいありぜんぜんだいじょうぶです。
「何だ、ぜんぜん減ってないし、部屋で本読もう」
僕は部屋へ戻り本を読み始めました。しばらくして、鍋を見に行きましたが
だいじょうぶでした。
本の続きを読み始めました。僕のお気に入りのとてもおもしろい本でした。
「んっ、なんか臭いな。何だろう。こげくさいような変なにおい。」
「・・・・?、わっ、鍋だ、見るの忘れてた。大変だ。」
台所へ行くと鍋からはモウモウとけむりが出ていて、部屋中煙りだらけです。
「どうしよう、お母さんに言われてたのに本に夢中になって忘れてた。
鍋はこげちゃってるし、部屋は煙りだらけ、どうしよう。」
「・・・、あっ、そうだ。ちょっと前の時間に戻らないかな。」と時計を見ました。
まわりがパアーっと白くなり、それが無くなると時間が戻っていました。
それからはお母さんが帰ってくるまで鍋を見るのを忘れませんでした。
僕は、どんなに楽しいことをしていても、誰かに頼まれたことは
最後までキチンとしなくちゃいけないことがわかりました。

                                  
第4話
僕はお兄ちゃんが大事にしてる車の模型が大好きだ。
一度さわってみたいがお兄ちゃんは宝物だからだめだという。
かっこいい車で中に人が乗っているんだ。色は真っ赤でピカピカでかっこいい。
それに、スイッチを入れると走るんだ。すごいなあーー。
いつも本棚の一番上に置いてある。僕には届かないんだ。
今日、学校から帰ってみると、お兄ちゃんの車の模型が机の上にあった。
「やったー、近くでみれるぞー。」僕は初めて近くで見た。
「やっぱりかっこいい。すっごいなあ」
「ちょっとだけならさわっても大丈夫かな?でもお兄ちゃんはさわるなって言ってるし。」
僕はどうしてもさわりたくなり手で持ってしまいました。やっぱりかっこいい。
「ただいまー」
「あっ、お兄ちゃん帰ってきた。大変だ。」
あわてて机の上に置こうとしたとき、車を落としてしましました。
車はバラバラになっちゃいました。階段をお兄ちゃんが上がってくる音がしているし、
「どうしよう、どうしよう。あっ、そうだ。ちょっと前に時間が戻らないかなあ」
と時計を見ました。まわりがパアーっと白くなり、それが無くなると時間が戻っていました。

「ただいま、けいたくん。あっ、車起きっぱなしだったんだ。けいたくんはお兄ちゃんの
言うこと聞いてさわらなかったんだ。えらいなー、それじゃ、さわってもいいよ」
ぼくは、人に言われたことをきちんと守るこということがどんなに大事なことか
本当にすごくわかりました。
                              
第5話
「ただいま〜」
「はい、おかえりなさい。手を洗ってからおやつ食べてね。」
といつもの通りお母さんが言っています。
今日はお昼から体育があったので、すっごくおなかがすいています。
おやつは僕の大好きなポテトフライです。
お母さんは洗濯物を取りに外へ出ていきました。
「うわ〜、おいしそう。早く食べたいな。お母さんいないし、手を洗わないで食べちゃおう」
僕はおなかがすいていたので、手を洗わずに食べちゃいました。
そのあと、友達と公園で遊ぶ約束をしていたので、公園へ行きました。
公園で遊んでいると、なんだかおなかがチクチク痛くなってきました。
「あれ、おなかが痛くなってきた。どうしたんだろう」
家に帰る途中からすごくおなかが痛くなり、がまんができなくなってきました。
「ウエ〜ン、おなかが痛い、もう歩けない、どうしよう〜〜〜」
「・・・・あっ、そうだ。ちょっと前にもどらないかな」と時計を見ると
周りが真っ白になり、、少しするとちょっと前の時間にもどっていました。
「そうだ、さっきは手を洗わないで、おやつを食べたからおなかが痛くなったんだ」
僕はお母さんの言うとおり手を石鹸できれいに洗い、おやつを食べました。
外から帰ったり、手が汚れたときは、必ず、きれいに洗わないといけないと言うことが
今日、本当にわかりました。